ヤマネコ保護区
イリオモテヤマネコの棲む、西表島は面積の85%が国有地になりますが、対馬は85%以上が民有地です。植林などは全島にされていることから、国道など以外に公道は勿論、林道や作業道などが必要になります。また西表に比べる人口も多く、産業の少ない島での公共工事は避けて通れません。このためヤマネコにとっての生息地は厳しくなります。
守る会事務局近くの川には、昭和35年ごろまでニホンカワウソが生息していたと聞いていますが、護岸工事などの影響で、繁殖できる場所が無くなり絶滅に追いやられています。このようなことから、ツシマヤマネコが将来にわたり、安心して暮らせる安住の地を確保するため企業などからの支援を受けながら保護区の用地取得も行っています。
白い星で囲っている地域は対馬市の市有地で約70ヘクタールあり、この中に公園や対馬野生生物保護センターがあります。
黄色の星で囲まれた地域は今後の保護区予定地で、現在は虫食い状態で買収を勧めている地域です。
中の白い点線はヤマネコ街道(管理用道路)になりますが、始点から終点まで丁度1キロあります。
水場
25年4月、昔から地元の皆さんが利用していた湧水の出ていた場所を整備し、動物たちの水場を作りました。本来ならば石積みで行うのですが、以前、いなかったイノシシが荒らすため、桧で周囲が壊れないよう頑丈に仕上げました。また、中には野鳥が水を飲んだり水浴びできるよう石も設置しています。
場所は保護区の中央に位置します。早速、動物たちも利用しています。最初に来るのはイノシカではと思っていましたが自動カメラを仕掛けてみるとヤマネコたちでした。
1.子供のころ皆で利用していた水場も、近年は人が行かないため跡形も無くなっていました。ツルハシ、カナテコなど使用し元の水場を掘っているところ。
2.周囲を囲った桧の丸太。
3.早速、水場を利用するヤマネコ
4.こちらはツシマテン
5.野鳥なども。こちらはハシボソガラスの親子。野鳥の水飲み場にヒナがいます。
6.人の休憩所も設置。
「動物たちの園」 耕作
以前のように、ヤマネコの餌となる小動物が増えてくれればと、平成15年6月、休耕されていた農地70アールを借りあげ、ソバ作りなどもしています。実った穀物、ソバや大豆などは収穫せず、そのまま小動物の餌に残しています。このため畑ではキジバトなど多くの野鳥も見られます。
巣箱の設置
林業の方にお願いして、320ヘクタールの山林にヤマネコの巣箱なども設置させてもらっています。
普及啓発活動
対馬のお年寄りでさえヤマネコを見た方は少なく、毎年ノラネコなどをヤマネコと勘違した連絡があります。この為に公民館や学校などで、写真やスライドを見せながら保護を伝えています。
会では一人でも多くの仲間を増やし、保護の輪を広げていきたいと思っています。
生息状況調査
警戒心の強いヤマネコの姿を確認することは不可能なため、ヤマネコの少ない地域の林道などに入り、糞などを探し痕跡調査もしています。