保護活動

ヤマネコ保護区

夏の保護区

イリオモテヤマネコの棲む、西表島は面積の85%が国有地になりますが、対馬は85%以上が民有地です。植林などは全島にされていることから、国道など以外に公道は勿論、林道や作業道などが必要になります。また西表に比べる人口も多く、産業の少ない島での公共工事は避けて通れません。このためヤマネコにとっての生息地は厳しくなります。
佐護の川には、昭和35年ごろまでニホンカワウソが生息していたと聞いていますが、護岸工事などの影響で、繁殖できる場所が無くなり絶滅に追いやられています。このようなことから、ツシマヤマネコが将来にわたり、安心して暮らせる安住の地を確保するため公益財団法人日本トラスト協会様からの助成金やみなさまからのご寄付で保護区の用地取得を行っています。

2008年頃、対馬には韓国人が今よりもはるかに多い年間45万人も訪れる状況でした。そんな中、韓国資本による対馬の土地の買収がはじまり、過疎が進み90%が私有地である対馬では買収の範囲が広がっていく懸念があり、ツシマヤマネコを保護する環境が悪化する恐れがありました。
そんな中、公益財団法人日本トラスト協会様より、トラスト地の取得の提案があり、検討したところ、場所的に適しており、地元の方の所有する土地や共有地がほとんどのこの瀬の浜地区が選ばれました。
買収には日本トラスト協会様の助成金を活用しています。
(一部、会への寄付金で購入した部分や、故山村名誉会長から寄付いただいた土地もあります。また日本トラスト協会様と日本生態系協会様所有の土地があります)
保護区の面積は約70haありますが、現在、取得率は80%程度です。これ以上の買収は諸事情により困難な状況です。
現在、獣害から守るためにイノシシ・シカの駆除やメッシュワイヤーで囲った部分が3ヶ所あで木庭作(ソバの栽培)を行い、ヤマネコの生息環境の整備を進めています。

白い星で囲っている地域は対馬市の市有地で約70ヘクタールあり、この中に公園や対馬野生生物保護センターがあります。
黄色の星で囲まれた地域は今後の保護区です。
中の白い点線はヤマネコ街道(管理用道路)になりますが、始点から終点まで丁度1キロあります。

水場

25年4月、昔から地元の皆さんが利用していた湧水の出ていた場所を整備し、動物たちの水場を作りました。本来ならば石積みで行うのですが、以前、いなかったイノシシが荒らすため、桧で周囲が壊れないよう頑丈に仕上げました。また、中には野鳥が水を飲んだり水浴びできるよう石も設置しています。

場所は保護区の中央に位置します。早速、動物たちも利用しています。最初に来るのはイノシカではと思っていましたが自動カメラを仕掛けてみるとヤマネコたちでした。

1.子供のころ皆で利用していた水場も、近年は人が行かないため跡形も無くなっていました。ツルハシ、カナテコなど使用し元の水場を掘っているところ。

2.周囲を囲った桧の丸太。

3.早速、水場を利用するヤマネコ

4.こちらはツシマテン

5.野鳥なども。こちらはハシボソガラスの親子。野鳥の水飲み場にヒナがいます。

6.人の休憩所も設置。

「動物たちの園」 耕作

以前のように、ヤマネコの餌となる小動物が増えてくれればと、平成15年6月、休耕されていた農地70アールを借りあげ、ソバ作りなどもしています。実った穀物、ソバや大豆などは収穫せず、そのまま小動物の餌に残しています。このため畑ではキジバトなど多くの野鳥も見られます。

巣箱の設置

林業の方にお願いして、320ヘクタールの山林にヤマネコの巣箱なども設置させてもらっています。

普及啓発活動

対馬のお年寄りでさえヤマネコを見た方は少なく、毎年ノラネコなどをヤマネコと勘違した連絡があります。この為に公民館や学校などで、写真やスライドを見せながら保護を伝えています。
会では一人でも多くの仲間を増やし、保護の輪を広げていきたいと思っています。

生息状況調査

警戒心の強いヤマネコの姿を確認することは不可能なため、ヤマネコの少ない地域の林道などに入り、糞などを探し痕跡調査もしています。